食品製造業の労災対策を考える ― 外国人・高齢者にも伝わるチェックリストとは BHR推進社労士の視点(2026/4/9)
奈良労働局が、食料品製造業向けに災害防止チェックリストを作成したという報道がありました。床面の濡れや油汚れ、通路の整理といった、現場でよく見られるリスクに着目した内容で、日々の安全管理に役立つ取組だと感じます。
一方で、記事がコンパクトにまとめられていたこともあり、少しだけ視点を広げて考えてみたいと思いました。
労災増加の背景を少しだけ考える
報道によると、食料品製造業では労働災害が前年より増えているとのことです。
現場を見ていくと
・外国人労働者の増加
・高齢の方の活躍
といった変化が進んでいます。
どちらも現場を支える大切な存在ですが、その一方で、
・言葉の違い
・作業の理解の仕方の違い
・身体機能の変化
といった点で、安全面に少し工夫が必要になる場面もあるのではないかと感じます。
同じチェックリストでも「伝わり方」はさまざま
チェックリストそのものは、とても有効なツールです。
ただ、同じ内容でも
・日本語に慣れている方
・日本で働き始めたばかりの方
・新しい環境に適応していない高齢の方
では、受け取り方に違いが出ることもあります。
そのため、
「実施しているかどうか」に加えて
「きちんと伝わっているかどうか」
という視点も大切になってくるように思います。
現場でできるちょっとした工夫
大きな変更でなくても、少しの工夫で分かりやすさはぐっと高まります。
例えば、
・やさしい日本語を使う
・ピクトグラムや写真を添える
・危険な場所を色で示す
といった方法です。
こうした工夫は、外国人の方だけでなく、すべての従業員にとって理解しやすいものになります。
「分かりやすさ」は全体の安心につながる
興味深いのは、
「分かりにくい人に合わせる」ことで、結果として全体が使いやすくなる点です。
・教育にかかる時間が短くなる
・作業のばらつきが減る
・うっかりミスが起きにくくなる
といった効果も期待できます。
安全対策でありながら、現場の働きやすさにもつながっていくのは、とても良い循環だと感じます。
おわりに
今回のチェックリストは、食品製造業の安全対策を見直す良いきっかけになる取組だと思います。
今後さらに、
多様な人が働く現場を前提として、
「誰にとっても分かりやすい形」に少しずつ工夫が重ねられていけば、
より現場で活きるものになっていくのではないでしょうか。
外国人の方や高齢の方にも伝わる安全対策は、
きっと、すべての人にとって使いやすい安全対策につながっていきます。
そんな視点も大切にしながら、現場を見ていきたいところです。
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