【東京労働局】パワハラ相談3倍の背景とは|企業対応とBHRの視点から解説(2024/8/19)
■ パワーハラスメント相談の急増
東京労働局(富田望局長)は、個別労働紛争解決制度の令和5年度の施行状況を取りまとめた。総合労働相談件数17万3947件のうち、労働施策総合推進法におけるパワーハラスメントに関する相談は7929件で、前年の2524件から3倍に増加している。
同労働局雇用環境・均等部は、「4年度に中小企業にもパワハラ対策が義務付けられたことから、企業から対応方法についての相談が増加した」と話している。労働者からの相談も増えており、紛争に至る状態も多発しているとした。労働局長による紛争解決の援助への申立ては、「パワハラ防止措置」が155件で、前年度比107件増加している。紛争調整委員会による調停の申請は51件(33件増)だった。
申立て内容は、企業が相談窓口を設置したものの、相談を受けた後に調査などの対応をせず、放置していたケースがみられるという。調査を実施していても、労働者が結果に納得しないケースもあるとした。
(以上 労働新聞より)
■ 現場で感じる実務の実態
パワーハラスメントに関する相談は、実務の現場でも非常に増加しています。
実際に、当事務所に寄せられる相談の中でも、
👉 パワハラ
👉 それに伴うメンタルヘルス不調
は、非常に多いテーマです。
■ 問題の本質は「対応の質」
今回の内容で特に注目すべき点は、
👉 「相談窓口はあるが、その後の対応が不十分」
という点です。
多くの企業が、
- 相談窓口を設置する
- 規程を整備する
といった形式的な対応は進めています。
しかし、
👉 調査をしない
👉 結論を出さない
👉 説明をしない
といったケースでは、
👉 かえって紛争を深刻化させる
ことになります。
■ BHR(ビジネスと人権)の視点から
パワーハラスメントの問題は、
単なる職場トラブルではなく、
👉 「働く人の尊厳を侵害する問題」
です。
BHRの考え方では、
👉 企業は人権侵害を防止し
👉 発生した場合には適切に是正する責任
を負います。
今回の事例に当てはめると、
👉 相談窓口の設置だけでは不十分であり
👉 実効性のある対応(調査・是正・説明)まで行うこと
が求められます。
■ 「形式対応」から「実質対応」へ
パワハラ対策においては、
👉 制度を作ることが目的ではなく
👉 機能させることが目的
です。
具体的には、
- 公正な調査体制
- 客観的な事実認定
- 当事者への説明
- 再発防止策の実施
といった対応が不可欠になります。
■ 社労士の役割
こうした対応を適切に行うためには、
👉 法令理解
👉 実務対応力
👉 中立的な視点
が求められます。
その中で、
👉 社会保険労務士の関与は非常に重要
であり、
👉 企業のリスク管理と職場環境の改善の両面で大きな役割
を担います。
■ まとめ
今回のデータが示すのは、
👉 パワハラ問題の増加だけでなく
👉 企業の対応力が問われている現状
です。
これからの企業には、
👉 形式的な対策ではなく
👉 実効性のある対応体制の構築
が求められます。
パワハラ対策は、
👉 リスク回避のためだけでなく
👉 人を大切にする企業づくりの基盤
でもあります。
■ 出典
・『労働新聞』
「パワハラ相談3倍に 企業から対応問合せ増加 東京労働局」
【是正指導1.5倍】パワハラ防止措置が機能しない理由とは→コチラ
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