【是正指導1.5倍】パワハラ防止措置が機能しない理由とは|厚労省データとBHRの視点(2024/8/21)
■ パワハラ対策における違反の実態
厚生労働省は、パワーハラスメント対策の実施を事業主に義務付けている労働施策総合推進法の令和5年度施行状況を取りまとめた。都道府県労働局が雇用管理の実態を把握した事業場の6割で違反がみつかり、是正指導を行っている。是正指導総件数は前年度の約1.5倍に当たる計3746件に上った。
都道府県労働局では、労働者の相談などに基づき、法違反の恐れのある事業主に対して報告の請求を行い、雇用管理の実態を把握している。5年度は、4348事業所の実態を確認。その結果、60.1%に当たる2615事業所で何らかの違反が発覚し、是正指導を行った。
指導内容をみると、相談体制の整備など「パワハラ防止措置」が2247件で最多。以下、「事業主の責務(研修の実施等)」918件、「事業主の責務(事業主自らの言動への注意)」576件と続く。「パワハラ相談を理由とした不利益取扱い」(4件)や、「紛争解決援助等の申出を理由とする不利益取扱い」(1件)も少数ながら確認された。
同法に関連し、労働局長による紛争解決援助の申立てを受理した件数は1603件で、前年度から194件増加した。内訳は、パワハラ防止措置が96.6%、パワハラ相談を理由とした不利益取扱いが3.4%となっている。
(以上、労働新聞より)
■ 現場で感じる「機能していない制度」
データを見て感じるのは、
👉 「制度はあるが、機能していない」
という現実です。
特に多いのが、
👉 相談窓口の問題
です。
■ よくある課題
実務の現場では、
- 相談窓口が分かりにくい
- どこに相談していいか不明確
- 上司が窓口で相談しにくい
- 相談しても変わらないという不信感
といった声を多く聞きます。
👉 つまり、
👉 「設置しているだけ」になっているケースが多い
ということです。
■ 外部相談窓口という選択肢
こうした状況を踏まえると、
👉 外部相談窓口の設置
は非常に有効な手段と考えられます。
理由としては、
- 中立性の確保
- 相談のしやすさ
- 実務的な対応力
が挙げられます。
特に、
👉 「社内には言いづらい」
という心理的ハードルを下げる点で、
👉 外部窓口の役割は大きい
と感じています。
■ BHR(ビジネスと人権)の視点から
パワーハラスメント対策は、
単なる法令対応ではなく、
👉 「人権リスクへの対応」
でもあります。
BHRの考え方では、
👉 企業は人権侵害を防止し
👉 発生した場合には適切に対応する責任
を負います。
今回のデータは、
👉 形式的な整備だけでは不十分であること
を示しています。
つまり、
👉 「制度を作る」から
👉 「機能させる」へ
という転換が求められているといえます。
■ これからの企業に求められるもの
パワハラ対策において重要なのは、
- 相談しやすい環境
- 公正な調査
- 納得できる説明
- 再発防止策
といった、
👉 実効性のある仕組み
です。
これらが整ってはじめて、
👉 「人を守る制度」
として機能します。
■ まとめ
今回の厚労省データは、
👉 パワハラ問題の増加だけでなく
👉 企業の対応の質が問われている現状
を示しています。
制度の整備にとどまらず、
👉 実際に機能する仕組みを構築できるか
が、今後の企業の重要な課題となるでしょう。
■ 出典
・『労働新聞』
「是正指導が1.5倍に パワハラ措置違反めだつ 厚労省」
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