【是正指導176件】慶弔休暇の待遇差はなぜ問題か|同一労働同一賃金とBHRの視点(2024/9/12)
■ 同一労働同一賃金に関する是正指導の増加
大阪労働局(志村幸久局長)は、同一労働同一賃金の遵守徹底に向けて、是正指導を強化している。このほどまとめた令和5年度のパートタイム・有期雇用労働法に基づく是正指導件数は、1143件に上った。4年度の501件から倍増し、なかでも均等・均衡待遇に関する指導は、約18倍となる176件実施している。違反の多くは、慶弔休暇などの福利厚生や手当における不合理な待遇差だった。同労働局雇用環境・均等室では、「今年度は昨年度以上に積極的に実施しており、さらなる件数増加を見込んでいる」と話している。
パートタイム・有期雇用労働法に基づく是正指導は、労働局が行った報告徴収のうち、違反を確認した企業に対し実施している。昨年度から、報告徴収に先立って、労働基準監督署が定期監督時に非正規雇用労働者の待遇を確認する取組みを進めており、同労働局雇用環境・均等部では「労基署と連携を強めることで積極的な指導につなげられた」と話している。
均等・均衡待遇については、基本給や賞与などの待遇に不合理な差を確認した場合、指導を行っている。たとえば慶弔休暇では、正社員には付与しているが、短時間・有期雇用労働者には付与していなかったり、日数を減らしている会社が多くみられた。待遇差を設ける場合であっても、1週間に3日のみ勤務する短時間労働者については、まずは勤務日の振替で対応できないか検討するよう指導したケースがあるとした。
給与面では、通勤手当などの各種手当の支給基準に不合理な待遇差を設けている企業を多数確認した。待遇に差を付ける場合は、所定労働日数に応じて日額交通費を支給するなどの指導を行っている。
体制整備に関する指導は、383件(前年比153件増)実施した。相談窓口を設けていなかったり、設けていても連絡先を社内に周知していなかった場合を対象にしている。小規模企業では、経営者自身が窓口を担っているものの、従業員が認識していないケースがめだつとしている。
同労働局では、昨年度以上に報告徴収を積極化している。「労基署の監督時には、必ず同一労働同一賃金の状況を確認している。法遵守の徹底に向け、丁寧に指導を行っていく」としている。
(以上 労働新聞より)
■ 現場で感じた違和感
この記事を読み、過去の経験を思い出しました。
非正規の公務員においても、
👉 同様の不合理な待遇差が存在していた
ことを覚えています。
特に印象に残っているのは、
👉 慶弔休暇の格差
です。
正規職員には付与される一方で、
👉 非正規職員には付与されない
という取り扱いがありました。
実際に、
👉 非正規職員の祖母が亡くなっても休暇はなく
👉 正規職員には休暇がある
という場面に直面したことがあります。(現在は会計年度任用職員制度へと変更され改善されています)
■ 制度の問題ではなく“認識の問題”
このような場面で感じたのは、
👉 「親族の死にまで差をつける必要があるのか」
という素朴な疑問でした。
もちろん、法制度上の整理や労働条件の違いは存在します。
しかし、
👉 制度として説明がつかない不合理な格差は、誰も納得しないと思います。
■ BHR(ビジネスと人権)の視点から
同一労働同一賃金の問題は、
単なる賃金や福利厚生の問題ではなく、
👉 「人としてどう扱うか」
という本質的な問題でもあります。
BHRの考え方では、
👉 企業はすべての労働者の尊厳を尊重する責任
を負います。
その観点から見ると、
- 慶弔休暇
- 福利厚生
- 各種手当
といった制度は、
👉 単なるコストではなく“人への配慮”そのもの
といえます。
■ 不合理な格差の本質
不合理な待遇差の問題は、
制度の不備だけでなく、
👉 「どこまで配慮するか」という意思の問題
でもあります。
現場で感じた違和感は、
👉 制度の問題というよりも
👉 人に対する認識の問題
に近いものだったように思います。
■ これから求められるもの
是正指導の増加は、
👉 法令遵守の強化
という側面もありますが、
同時に、
👉 企業に対する価値観の問いかけ
でもあります。
これからは、
👉 「法的に問題ないか」だけでなく
👉 「人として不合理な格差はないか」
という視点が、より重要になっていくのではないでしょうか。
■ まとめ
今回の事例は、
- 同一労働同一賃金
- 非正規雇用
- 福利厚生
といった問題を通じて、
👉 企業の在り方そのものを問い直すテーマ
を示しています。
制度の整備だけでなく、
👉 働く人への向き合い方
が、これからの企業に求められていると感じます。
■ 出典
・『労働新聞』
「均等・均衡待遇 慶弔休暇の違反めだつ 是正指導は176件に 大阪労働局」
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