【建設業の人材育成支援】複数社連携+賃上げ助成へ|国交省・厚労省(2024/9/15)
■ 建設業の人材確保へ新たな支援
国土交通省と厚生労働省は、建設業の人材確保・育成に向けた令和7年度の予算概算要求の概要をまとめた。国交省では、地域における工務店などの複数の住宅生産事業者の連携を通じた人材育成を助成する新事業への予算を求めている。厚労省では、建設事業主に対する助成金による支援として69億円を計上。建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入経費を助成していたコースを廃止し、技能者の能力に応じて賃金を引き上げた企業を支援するコースを新設する見込み。
国交省は新たに、住宅生産事業者の人材確保対策事業に取り組むとした。中小の同業他社間の連携による採用活動や人材育成、技能維持・継承などの取組みを金銭的に支援する制度を立ち上げる。連携に当たっては、市町村内や県内の事業者同士で協力する場合のほか、近隣の複数県をまたぐ場合も対象とすることを視野に入れている。
背景には、大地震などの自然災害の発生時に、工務店が住宅の修理や仮設住宅の建設などの重要な役割を担っていることがある。工務店に所属している大工は、高年齢化とともに人数が減少しつつあり、今後担い手不足の深刻化が懸念されるため、重点的な支援が必要とみている。事業には、住宅・建築物の防災力を高める緊急促進事業の予算として求める300億円の一部を活用する。
厚労省では、建設事業主等に対する助成金支援として69億円を要求し、人材確保等支援助成金における新コースの創設などに活用する。技能者の資格や就業履歴に応じて客観的に能力を評価するCCUSに応じた処遇改善に向け、「建設キャリアアップシステム等活用促進コース(仮称)」の新設をめざす。
CCUSは、初級者であるレベル1~最上位のレベル4までの4段階で技能者を評価するもの。新コースでは、レベルの上昇時に技能者の賃金を5%以上引き上げた事業者に対し、技能者1人当たり16万円を支給する。1事業者につき10人分まで申請可能とする。
CCUSへの登録手数料や設備費、登録手続きの外部委託費などを支援していたCCUS等普及促進コースは廃止する。登録手数料についてのみ、7年度末までは助成を継続する予定。
ハローワークにおける建設業などの人手不足分野へのマッチング支援事業も拡充する。6年度当初予算よりも2億円多い50億円を計上し、全国117カ所に設置している「人材確保対策コーナー」を増設する見込み。
(以上 労働新聞より)
■ 連携と賃上げがキーワード
今回の施策のポイントは、
・複数社による共同人材育成
・地域単位での人材確保
・技能に応じた賃上げ支援
です。
これまでのような
「個社ごとの対応」ではなく、
地域全体で人材を育てる方向
へと動いています。
■ 人手不足は構造問題
建設業では、
・技能者の高齢化
・担い手不足
・災害対応の重要性
が重なり、
人材不足が深刻化しています。
これは一時的な問題ではなく、
長期的に続く構造的な課題です。
■ 「導入支援」から「成果支援」へ
今回のもう一つの重要な点は、
助成の方向性の変化です。
・CCUS導入支援 → 廃止
・賃上げ支援 → 新設
つまり、
制度導入ではなく、処遇改善そのものを評価する
仕組みになっています。
■ 企業に求められる視点
今後は、
・採用
・育成
・処遇
を一体として考える必要があります。
単に人を確保するだけでなく、
育て、定着させ、評価する仕組み
が求められます。
■ まとめ
今回の施策は、
・連携による人材育成
・賃上げへの直接支援
・実効性重視
という特徴があります。
本格的な人材不足の時代において、
企業の対応力が問われています。
■ 最後に
助成金の活用は、制度理解と適切な運用が重要です。
検討される場合は、専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。
■ 出典
・『労働新聞』
【人手不足は「長期・粘着的」】労働経済白書が示す構造問題→コチラ
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