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【データ分析】介護事業者の倒産が過去最多 人手不足と物価高が直撃(2024/9/21)

■ 介護事業者の倒産が過去最多に

(社会保険研究所の情報を基に整理)

東京商工リサーチが公表した調査によると、2024年1~8月の「老人福祉・介護事業」における倒産件数は114件となり、前年同期比で44.3%増加した。

この件数は、介護保険制度が施行された2000年以降、同期間としては過去最多であり、これまで最多だった2020年(85件)を大きく上回る結果となった。

背景には、

・深刻な人手不足
・コロナ禍による経営ダメージの蓄積
・物価高によるコスト増

といった複合的な要因があると考えられる。


■ 訪問介護を中心に倒産が拡大

事業別に見ると、特に訪問介護の厳しさが際立っている。

・訪問介護:55件(前年同期比25.0%増)
・通所・短期入所:35件(同45.8%増)
・有料老人ホーム:11件(同175.0%増)

いずれの分野でも、同期間として過去最多を更新した。

訪問介護では、介護報酬改定による基本報酬の引下げが影響しており、もともと利益率の低い業態にさらに負担がかかっている状況がうかがえる。

また、通所介護や短期入所施設では、光熱費や人件費などのコスト増が重くのしかかっている。


■ 倒産理由の約8割が業績悪化

倒産要因を見ると、経営環境の厳しさがより明確になる。

・販売不振(売上不振):82件(71.9%)
・既往のしわ寄せ(赤字累積):11件(9.6%)

これらを合わせると、約8割が業績悪化による倒産となっている。

つまり、一時的な要因ではなく、

構造的に収益を確保しにくい状況

に陥っていることが分かる。


■ 介護業界が抱える構造的課題

今回のデータから浮かび上がるのは、個別企業の問題ではなく、業界全体の構造的な課題である。

具体的には、

・人材確保が困難
・賃上げが難しい
・報酬改定の影響を受けやすい
・コスト増を価格転嫁できない

といった特徴が重なっている。

特に人手不足については、サービス提供そのものに直結するため、他業種以上に経営への影響が大きい。


■ 今後の見通し

現状のままでは、

・人手不足の継続
・最低賃金の上昇
・物価高の長期化

などを背景に、倒産増加の流れが続く可能性もある。

介護サービスは社会インフラの一つであり、事業者の減少は利用者への影響にも直結する。


■ まとめ

2024年の介護事業者倒産は、過去最多という結果となった。

その背景には、

・人手不足
・収益構造の脆弱さ
・コスト増

といった複合的な要因がある。


今後は、個別企業の努力だけでなく、制度面も含めた対応が求められる段階に来ていると言える。


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