【事例解説】特定技能外国人に労災上乗せ補償|建設業における新たな安全配慮の動き(2024/1/22)
■ 特定技能外国人への労災上乗せ補償制度の開始
建設分野における特定技能外国人の評価試験、無料職業紹介事業などを行う建設技能人材機構(=JAC、三野輪賢二理事長)は、労災保険の給付対象となる業務災害に対して、補償金を上乗せする制度を開始した。建設分野に従事する1号特定技能外国人が業務災害によって休業し、事業主が被災者に見舞金を給付した場合、最大10万円の補償金を企業に支払う。特定技能者に対する福利厚生を充実させることで、建設分野における人材の確保と定着を図る狙い。
補償金は、休業日数に応じて給付する。休業期間が4~30日以内の場合には、短期休業見舞金として5万円を補償する。31日以上であれば、長期休業見舞金としてさらに5万円を上乗せし、合計10万円を支給する。後遺症が残る障害を負った際には、後遺障害見舞金を給付する。労災保険の障害等級に応じ、10万~500万円を上乗せする。
上乗せ補償制度の導入に当たっては、特定技能外国人を雇用している建設企業全社から徴収している「受入れ負担金」を原資に充てるため、受入れ企業に新たな金銭的負担は生じない。
(以上 労働新聞より)
■ 現場目線で見るこの制度の意味
労働災害は、当然ながら発生しないことが最も重要です。
その前提の上で、この制度のような「上乗せ補償」があることは、
👉 被災した労働者にとっての安心感につながる施策
と言えます。
特に建設業のように、
- 危険を伴う作業が多い
- 外国人労働者の割合が増加している
という現場においては、
👉 万が一の際の備えの厚さが、そのまま信頼につながる
側面があります。
■ 外国人労働者という視点
特定技能外国人の場合、
- 母国を離れて就労している
- 言語や制度の理解に差がある
といった事情があります。
その中で、
👉 労災保険に加えて補償が上乗せされる
という仕組みは、
単なる金銭的支援以上に、
👉 「守られている」という実感
を持ちやすい制度です。
■ 制度設計としてのポイント
今回の制度で注目すべきは、
👉 企業に新たな負担を求めていない点
です。
受入れ負担金を原資とすることで、
- 制度導入のハードルを下げ
- 広く適用できる仕組み
となっています。
👉この設計は、現場への浸透という意味でも合理的です。
■ BHR(ビジネスと人権)の視点から
この制度は、いわゆる「人権施策」として前面に出ているものではありません。
しかし、
- 安全配慮
- 補償の充実
- 外国人労働者への配慮
といった観点から見ると、
👉 労働者の安全と生活を守る取り組みの一つ
として評価することができます。
BHRの枠組みでは、
👉 企業は労働者の生命・安全を守る責任を負う
とされています。
今回のような上乗せ補償は、
👉 その責任を“制度として補完する動き”
と見ることもできます。
■ まとめ
今回の制度は、
- 人材確保
- 定着支援
といった目的で導入されていますが、
同時に、
👉 労働者の安心感を高める仕組み
でもあります。
労働災害を防ぐことが最優先であることは言うまでもありませんが、
👉 万が一の際にどう支えるか
という視点も、これからの企業には求められていくのではないでしょうか。
■ 出典
・『労働新聞』
「労災に上乗せ補償 建設の特定技能1号へ JAC」
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