【家事使用人に該当せず労災認定】東京高裁判決が示した「実態判断」の重要性(2025/1/6)
家政婦兼訪問介護ヘルパーとして住み込み勤務をしていた労働者が死亡した事案について、東京高等裁判所は一審判決を取り消し、労災と認定しました。
本件は、家事使用人に該当するかどうかが大きな争点となった事案です。
■争点は「家事使用人」か否か
労働基準法第116条は、
👉 家事使用人については労働基準法を適用しない
と定めています。
一審の東京地裁は、
- 家事業務の雇用主は個人宅
- その時間は労働時間に当たらない
として、労災不支給を適法と判断しました。
■東京高裁は「一体の業務」と判断
これに対し東京高裁は、
👉 介護業務と家事業務は一体のもの
と認定しました。
具体的には、
- 両業務は時間的・場所的に分離困難
- 雇用契約は会社との間で一体的に締結
- 業務内容も会社の指示に基づく
といった点を重視し、
👉 形式的な雇用区分ではなく実態で判断
しました。
その結果、
👉 家事使用人には該当しない
と結論付けています。
■過労死ラインを満たす過酷な労働実態
業務内容についても、極めて厳しい実態が認定されています。
- 1日15時間労働
- 深夜の介護対応(おむつ交換等)
- 連続6時間以上の睡眠が不可能
- 専用休憩スペースなし
こうした状況から、
👉 過労死認定基準の「短期間の過重業務」に該当
すると判断され、業務起因性が認められました。
■実務への影響
本件で重要なのは、
👉 雇用主を形式的に分けても意味がない
という点です。
実務上は、
- 家事:個人宅
- 介護:紹介会社
と分けるスキームが多く存在します。
しかし、
👉 実態として一体であれば一体として判断される
ことが明確に示されました。
■今後の課題
高齢化が進む日本では、
- 在宅介護
- 住み込み勤務
といった働き方は今後さらに増加します。
その中で、
👉 曖昧な雇用形態や責任の分散
は大きなリスクとなります。
■結論(現場感覚)
東京高裁の判断は適切だと考えます。
労働法規において重要なのは、
👉 形式ではなく実態に応じた判断
です。
今回の判決は、
👉 制度の抜け道ではなく実態で評価する
という原則を改めて示したものと言えるでしょう。
■まとめ
- 家政婦兼ヘルパーの死亡について労災認定
- 家事使用人該当性を否定
- 業務は一体として評価
- 過酷な労働実態を重視
- 今後の在宅介護分野に大きな影響
■出典
本記事は、労働専門紙の報道を基に要約・再構成しています。
(出典:労働新聞/令和6年9月19日 東京高裁判決)
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