【BHR推進社労士が解説】ハラスメント相談対応で大切なこと|人権配慮と事実確認をどう両立するか(2025/6/1)
職場のハラスメント相談対応にお悩みですか?
本記事では、ビジネスと人権(BHR)の視点から、相談対応時に大切な「人権配慮」と「事実確認のバランス」について、BHR推進社労士が具体的に解説します。企業の人事・労務担当者、相談窓口担当の方必見です。
ハラスメント相談対応のよくある悩み
ハラスメント相談の場面で、こんなふうに感じたことはありませんか?
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中立的に事実を確認したいが、相談者に冷たく見えてしまわないか心配
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相談者の話をしっかり聴きたいけど、どこまで聞いていいのか迷う
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「ビジネスと人権」への配慮と言われても、実際何をすればいいのか分からない
このような疑問を持つのは自然なことです。そして、実はこの問題には明確なアプローチ方法があります。
中立性と人権配慮は両立できるのか?
結論から言えば、「中立性」と「人への配慮」は対立するものではありません。むしろ、人権に配慮した対応を取ることで、相談者が安心し、事実関係がより正確に把握できるケースが多いのです。
まずは「丁寧に話を聴く」ことから
ハラスメントの被害を受けた方の多くは、長い間声を上げられずに苦しんでいます。
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セクハラ:誰にも相談できず孤立していた
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パワハラ:「よくあること」と軽く流された経験あり
このような方に必要なのは、「すぐに調査されること」ではなく、まず話を聴いてもらえることです。
特別なスキルがなくても、「あなたの話を真剣に聴いています」という姿勢を示すだけで、相談者の心は大きく軽くなります。
対応のポイント:配慮 → 事実確認の流れ
相談対応は段階を踏むことが重要です。
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初期対応では心理的配慮を重視する
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信頼関係を築いた上で、必要な事実確認を進める
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必要に応じて、一次対応・二次対応の体制を分ける
このような対応が、結果的に企業の調査の信頼性を高め、人権配慮の姿勢を社内外に示すことにもつながります。
ハラスメント相談は「人権尊重の第一歩」
BHR(Business and Human Rights)の観点から見ると、ハラスメント対応は「労務問題の対応」ではなく、人権への責任を果たす行為です。
企業が相談者の声に真摯に耳を傾けることは、「人として大切にされている」と実感できる貴重な体験になり、働く人の信頼・エンゲージメントの向上にも直結します。
まとめ|BHR推進社労士からのメッセージ
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ハラスメント相談対応は、まず「話を丁寧に聴くこと」から始めましょう
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人権への配慮と事実確認は、順を追えばきちんと両立できます
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対応の質が、企業の人権意識・信頼性を形作ります
ハラスメント防止体制の構築や、BHR方針策定にお困りの企業さまへ
BHR推進社労士として、貴社の人権尊重経営を現場からサポートいたします。
お気軽にご相談ください。
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