【現場事例】人権方針が職場を変える──BHR実装がもたらす意識変容 (2025/7/2)
こんにちは。BHR(ビジネスと人権)推進社労士として、企業や団体の人権方針策定や、人権デュー・ディリジェンス(人権DD)導入支援に取り組んでいます。
今回は、北海道を拠点に福祉業界で人材紹介や定着支援を行う「有限会社ウィルワーク様」において、人権方針の策定支援をさせていただいた事例をご紹介します。
■ 実効性ある人権方針が、現場に“誇り”を生む
有限会社ウィルワーク様では、長年にわたり行政機関・支援団体と連携し、人材の雇用と定着に取り組んでこられました。
その経験と実践を土台に、企業としての人権尊重の姿勢を「方針」として明文化するプロジェクトがスタートしました。
当方は、企業理念・現場の実態・ステークホルダー構造を丁寧にヒアリングしながら、実効性ある人権方針と今後の人権DD体制づくりの基礎設計をご支援いたしました。
策定後、ウィルワーク様では早くも社内に意識の変化が生まれています。
代表の澤田様から、次のような感想を頂きました:
「一番古い社員が『自分の仕事に誇りをもってやれるようになった。後ろ盾ができた』と話している。私自身も、自覚をもって邁進していきます」
これはまさに、人権方針が単なる文書にとどまらず、“人の誇り”を支える拠り所として機能している証です。
■ 2025年7月12日、行政・関係機関と連携する意見交換会を開催
有限会社ウィルワーク様では、来たる2025年7月12日(金)、厚生労働省、都道府県労働局、ハローワーク、外国人支援団体、教育機関など多様な関係者を招いた意見交換会・研修の開催が予定されています。
このような対話の場において、「人権方針」という共通言語を持って臨むことで、行政・民間の連携がより深く実効的になることを期待しています。
※澤田代表をはじめ、ウィルワークの皆様によるご準備には敬意を表します。当日が実り多い機会となることを、私も心より願っております。
■ 自治体や公的機関こそBHRの視点を
私は今、自治体・行政機関にこそBHRの実装が急務であると考えています。
委託・補助金事業における労務・人権リスクの予防
福祉現場の働きがいや構造的ハラスメントの回避
外国人や障害者雇用における権利保護の仕組みづくり
こうした分野にこそ、人権方針と人権DDの視点が求められています。
ウィルワーク様のような民間企業が先んじて取り組まれていることは、自治体・支援機関への波及効果をもつ先進的な事例といえるでしょう。
■ 公開された人権方針はこちら
有限会社ウィルワーク様の人権方針は、以下の公式ページにてご覧いただけます:
👉 https://willwork.jp/human-rights-policy/
【まとめ】
人権方針は、単なる書面の整備ではありません。
企業文化を形づくり、人の誇りと行動を支える「実装」の力があります。
私は今後も、福祉・労務・行政の現場に寄り添いながら、BHRの伴走支援を続けてまいります。
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