【ビジネスと人権】地域連携で広がる外国人支援の実践例 ――自治体・NPO・専門職とつながるBHR実装のポイント 外国人労働者と人権第27回(2025/7/23)
🌿はじめに|なぜ今、「地域連携とビジネスと人権」なのか?
育成就労制度では、外国人材を「雇って終わり」にしないことが求められます。
その実現には、企業・監理支援機関・地域資源が連携し、“暮らし”を支える体制が不可欠です。
今回は、
- BHR(ビジネスと人権)実装の観点からの地域連携の意義
- 自治体・NPO・専門職と企業の協働モデル
- 連携のメリットと実務上の工夫
を、実用性の高い構成でお届けします。
✅ 1|外国人支援に「地域連携」が不可欠な理由
支援課題 | 単独対応の限界 | 地域資源の活用可能性 |
医療 保健 福祉 | 緊急時の対応が困難 | 保健所 病院 福祉窓口との連携 |
日本語 教育支援 | 社内指導限界 | 地域日本語教室 教育委員会との連携 |
心理的孤立 文化差 | 職場内では対応困難 | NPO 宗教団体 母語相談窓口 |
防災 災害時 | 情報が届かず | 自治体 防災会 外国人避難訓練 |
緊急対応 法的支援 | 法的助言要 | 弁護士 社労士 行政書士との協働 |
✅ 2|【ビジネスと人権】地域連携はBHRの中核である
BHR(ビジネスと人権)では、企業の責任は労働条件や賃金だけにとどまりません。
外国人材が安心して暮らせる環境づくりも、企業の人権尊重責任の一環です。
✅ 3|実際にできる!地域連携の取組例
連携先 | 取組例 | 効果 |
自治体 | 広報翻訳 日本語教室紹介 防災訓練の案内 | 生活情報の浸透 防災意識向上 |
NPO NGO | 多言語相談 生活困窮支援 同行支援 | 心理的安心 早期介入 |
社労士 行政書士 | 在留資格 転職時の相談 苦情対応補助 | 法的安定性の確保 |
商工会 地域団体 | 清掃活動 イベント参加 地域交流 | 孤立防止 地域受容の促進 |
✅ 4|地域連携を「コスト」ではなく「投資」として考える
課題 | 誤解 | 再解釈(BHR的視点) |
人手 予算が足りない | 時間も お金もかかる | 外部資源活用で 効率化・分担できる |
本業から外れる | 企業活動と 関係ない | 外国人の安定 =生産性・離職防止 |
評価されにくい | 社内で 理解されない | 社会的信頼 レピュテーション向上 |
✅ 5|まず何から始める?小さな一歩の連携実践
ステップ | 具体アクション |
情報収集 | 自治体の外国人相談窓口に電話してみる |
関係づくり | NPOの外国人支援会議にオブザーバー参加 |
社内整備 | 「地域連携係」や担当者を設定 |
見える化 | 取組をHP・社内報・SNSで発信 |
✍️BHR推進社労士からのひとこと
「人材定着」は、職場の努力だけでは実現しません。
“暮らしやすい地域”があってこそ、安心して働ける環境が整います。
地域と企業が連携し、「外国人を支える社会の一員」として動くとき、
それこそが【ビジネスと人権】の最前線です。
✍️この記事を書いた人
烏脇 直俊(からすわき なおとし)
BHR(ビジネスと人権)推進社労士 / 外国人技能実習制度 外部監査人 / 行政書士(有資格・未登録)
外国人技能実習制度・育成就労制度を「人権の観点」から支援することを専門とする社会保険労務士。
監理団体・企業・自治体と連携し、制度対応から実務改善、職場の人権環境整備まで幅広くサポート。
「制度を“使う”だけでなく、“活かす”時代へ。」
制度改革に前向きに取り組みたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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