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労災防止は人権尊重の第一歩――BHR推進社労士が語る外国人労働者の安全対策(2025/8/21)

神奈川・横浜北労働基準監督署(平本賢一署長)は、外国人労働者の被災が食料品製造業などを中心に増加し、今年上半期には休業4日以上の労働災害の5%を占めたことから、労災防止対策を強化する。昨年は2.6%で、発生ペースが高まっているため、集団指導や個別指導を通じ、外国語の教育資料の活用などを強く呼び掛ける。同業種では2年連続で安全衛生管理特別指導事業場を指定するなど、業界全体の安全意識の低下が懸念されている。指定事業場ではいずれも、外国人の労災が発生していた。

 令和5年と6年における管内の外国人の被災割合は、それぞれ年間で、3.1%、2.6%だった。9年度までを取組み期間とする第14次労働災害防止計画で掲げる4%以下を達成していた。一方、今年に入ってから割合は高まり、上半期では5.2%に上った。

 同労基署安全衛生課は、「とくに食料品製造業での被災がめだつ」と危機感を示す。管内では、5~6年度の2年連続で、食料品製造業の事業場を「安全管理特別指導事業場(安特)」に指定するなど、業界全体の危機意識の低下も懸念している。安特に指定した事業場は、外国人の労災も発生していたという。

 安特は、労災を繰り返し発生させるなど安全対策に課題がある事業場を指定し、改善計画に沿った取組みを求める制度。同労基署では毎年3~4件程度を指定している。

 同労基署安衛課は、とくに外国人労働者の被災が懸念される事故として、機械による「はさまれ・巻き込まれ」や「切れ・こすれ」などを挙げた。労災防止に向けて、今後、集団指導や個別指導をとおし、外国語の教育資料の活用を強く呼び掛けていく。併せて外国人労働者が機械による危険を直観的に理解できるように、イラストの使用も求める。

 食料品製造業以外にも、建設業での外国人の災害防止に向けた取組みを進めるとした。とくに解体工事では、労働者のうち外国人の占める割合が高い現場も多いため、安全教育に課題があるとしている。

(以上労働新聞より)

BHR推進社労士の視点から

神奈川・横浜北労働基準監督署が指摘するように、外国人労働者の労災発生率が上昇している背景には、単なる安全管理上の不備だけではなく、言語・文化の壁に起因する「人権課題」が潜んでいます。

ビジネスと人権(BHR)の観点からすれば、労働災害防止は「労働者の安全に対する企業の基本的責任」であり、外国人だから理解できなかった、伝わらなかった、では済まされません。ILO条約や国際指針でも、安全で健康に働く権利は普遍的な人権とされています。

特に食料品製造業や建設業では、外国人比率が高い職場ほど 母語教育資料やイラストによる直感的理解 が必須です。単なる形式的なマニュアル配布ではなく、労働者一人ひとりが「自分の安全を守れる状態」に到達することが企業の責任であり、それが結果的に事故防止と生産性維持につながります。

BHR推進社労士としては、

を提案したいと考えます。労災防止は「人権尊重の実践」であり、外国人労働者が安心して働ける環境づくりこそが企業の持続的成長の土台です。

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