「外国人労働者の労災から考える ― ビジネスと人権と安全配慮」(2025/9/10)
千葉労働基準監督署の発表によると、令和6年に同署管内で発生した休業4日以上の労働災害は1,316件。そのうち約1割にあたる120件が、外国人労働者によるものでした。
この数字は、単なる統計ではなく、異国で働く一人ひとりの人生に直結する現実です。
説明会では「雇入れ時の安全教育だけでは十分に理解できないことがある」「ヒヤリハットが起きたときに繰り返し教育が必要」と指摘されました。これは単なる教育手法の問題ではなく、「文化や言語の違いを踏まえてどう支えるか」 という姿勢が問われていると私は感じます。
日本語が不慣れな外国人労働者に安全ルールを伝えるには、日本人以上に時間も手間もかかります。説明を繰り返し、実演を交え、時に翻訳やピクトグラムを活用する必要もあるでしょう。
一見すると非効率に思えるかもしれません。しかし、その「余分な時間」と「丁寧な支援」こそが、重大災害を防ぎ、外国人労働者が安心して働ける環境をつくります。そして、そこで働く人たちの信頼と笑顔は、必ず大きな花となって事業場全体に還ってきます。
BHR(ビジネスと人権)の観点からも、労働安全衛生は重要なテーマです。外国人だから理解できない、守れないではなく、「外国人だからこそ伝え方を工夫する」 ― これが企業の責任であり、人権尊重の第一歩です。
結び
外国人労働者が多い職場で安全教育を強化することは、単なる労基署対策ではなく、企業の持続可能性そのものを守る行動です。
私自身も社労士として、「人を大切にする姿勢」こそが最強のリスクマネジメントだと確信しています。
≪ 特定技能「農業」をクリーニング工場に派遣 ― 制度誤解では済まされない深刻事件 BHR推進社労士の視点 | 恐竜の絶滅に学ぶ――企業が生き残るためのBHR BHR推進社労士の視点 ≫
