【勤務間休息が最大要因】過労死白書が示す“労働時間以外”の負荷(2024/10/27)
政府は令和6年版の過労死等防止対策白書を閣議決定した。
脳・心臓疾患による労災認定事案を分析した結果、労働時間以外の負荷要因を加味することとなった令和3年9月の認定基準改正以降の事案(97件)では、「勤務間インターバルが短い勤務」と「拘束時間の長い勤務」がいずれも24件で最多となった。次いで「不規則な勤務・交替勤務・深夜勤務」が21件となっている。
また、平成22年度から令和2年度までの認定事案について、勤務間インターバルの平均値を業種別にみると、11時間未満の割合が高い順に、「運輸業、郵便業」46.2%、「宿泊業、飲食サービス業」37.1%、「情報通信業」33.8%となっている。
さらに、1カ月当たりの拘束時間が320時間以上の割合は、「運輸業、郵便業」が43.9%で最も高く、「宿泊業、飲食サービス業」41.5%、「建設業」25.6%、「製造業」「医療、福祉」がともに19.7%と続く。
■BHR視点:問われているのは「休ませ方」の設計
今回の白書が示す重要なポイントは、
過労の評価が「労働時間の長さ」だけではなく、休息の確保状況や勤務の質に広がっている点である。
「ビジネスと人権(BHR)」の観点においても、
安全で健康的な労働環境には、適切な休息の確保が不可欠とされる。
とりわけ勤務間インターバルは、
- 睡眠時間の確保
- 疲労回復
- 判断力・集中力の維持
に直結し、結果として事故防止や健康障害の予防に大きく影響する。
■“働かせ方”から“休ませ方”へ
従来は、
- 総労働時間
- 残業時間
が主な管理指標とされてきた。
しかし今回の分析からは、
👉 「どれだけ働いたか」ではなく
👉 「どのように休めているか」
がリスク評価の中心になりつつあることが読み取れる。
特に、
- インターバルが短い連続勤務
- 長時間の拘束(待機・移動含む)
- 不規則・深夜帯の勤務
は、単独でも負荷要因として評価され得る。
■実務への示唆
企業としては、単なる労働時間管理にとどまらず、
勤務間インターバルを含めた勤務設計が求められる。
具体的には、
- 最低休息時間(例:11時間)の確保
- 拘束時間の把握と管理
- シフト設計の見直し
- 深夜・交替勤務の負担軽減
といった対応が重要となる。
■まとめ
過労死リスクの評価は確実に変化している。
👉 長時間労働だけでは不十分
👉 休息の質と勤務の組み合わせが問われる
企業にとっては、
「労働時間管理」から「労働設計」への転換が求められている。
■出典
※出典:労働新聞「勤務間休息がトップ 労働時間以外の負荷要因 過労死防止対策白書」
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