【役員でも労働者に該当?】スタートアップの労働者性判断で通達 厚労省(2024/11/4)
厚生労働省は、スタートアップ企業における労働基準法の適用に関する解釈を示す通達を、都道府県労働局長に発出した。
新しい技術やビジネスモデルで急成長を目指すスタートアップでは、役員と従業員の役割が重なりやすいことから、労働者性の判断が問題となるケースが増えている。
通達では、スタートアップ企業の役員であっても、労働基準法上の「労働者」に該当するかどうかは、個々の実態に基づき総合的に判断するとしている。
具体的な判断要素としては、
- 勤務時間や勤務場所の拘束性
- 報酬が労務の対価として支払われているか
- 会社からの指揮監督関係の有無
- 経営への関与の程度
などが挙げられている。
一般的には、取締役などの役員は労働者に該当しないと考えられるが、
実際には、就任の経緯や業務内容、報酬の性質などを踏まえ、労働者と認定された裁判例もある点に留意が必要とした。
■管理監督者の判断について
通達では、管理監督者に該当するかどうかについても、肩書きではなく実態に基づいて判断すべきと指摘している。
役員兼務者や、経営者直属の組織の長、全社的プロジェクトを統括する責任者などについては、
- 基本給や役付手当が地位に見合っている
- 一時金などで優遇措置が講じられている
といった条件を満たす場合には、一般的に管理監督者として扱うことが可能とされる。
■実務への示唆
今回の通達のポイントは明確である。
👉 肩書きではなく「実態」で判断される
企業としては、
- 役員の職務内容と権限の整理
- 勤務実態(時間・指揮命令)の把握
- 報酬体系の整備
といった点を見直す必要がある。
■まとめ
スタートアップ企業では、役員と従業員の境界が曖昧になりやすい。
そのため、
👉「役員だから対象外」
👉「管理職だから残業代不要」
といった形式的な判断ではなく、実態に即した対応が求められる。
■出典
※出典:労働新聞「実態勘案し総合判断 新興企業役員の労働者性 厚労省通達」
【割増賃金違反が最多】役職手当の不算入に注意→コチラ
【”人を大切にする会社”は選ばれる】→コチラ
BHR推進社労士が企業にどのような価値を提供できるかについては、
「ビジネスと人権に取り組むBHR推進社労士の魅力」で整理しています。
人権調査票やサプライチェーン調査への実務対応については、
「人権デューデリジェンスとは?中小企業が対応すべき調査票と外国人雇用リスク」で整理しています。
≪ 【完全失業率2.4%に低下】就業者数は26か月連続増 労働力調査(令和6年9月) | 【384万人不足へ】2035年の労働市場を推計 パーソル総研 ≫
