【制度はあるのに使えない】相談窓口の未周知が多数 千葉労働局(2024/11/28)
千葉労働局は今年度、パートタイム・有期雇用労働法に基づく報告徴収を昨年度の1.5倍となる425件に拡大し、指導を強化している。上半期(4~9月)は197事業所に実施し、9割超に当たる190事業所で指導を行った。
違反は合計381件、違反に至らないものの改善を促す助言は178件に上る。
■目立つ違反:相談窓口の「未周知」
最も多かったのは「労働条件に関する文書の交付」(100件)。
同法では、以下の明示が義務付けられている。
- 昇給の有無
- 退職手当の有無
- 賞与の有無
- 相談窓口の設置・明示
中でも、相談窓口の未周知が目立つ。
新規採用者には周知している一方、既存の従業員には周知していないケースが多いという。
また、そもそも窓口を設けていない「相談体制整備」違反も63件確認された。
■均衡待遇違反も継続
「不合理な待遇の禁止」に関する違反は42件。
とくに通勤手当について、
- 正社員は上限なし
- パートは「バス数駅分」などの上限設定
といった合理性に欠ける差が問題となっている。
■「点検票」で自律的改善を促進
同労働局は今年度から、同一労働同一賃金の遵守状況などを確認する「点検票(チェックリスト)」の配布も開始。
年度内100件の配布・回収を目標としており、上半期は約50件を配布した。
■BHR視点:「救済へのアクセス」が機能しているか
「ビジネスと人権(BHR)」では、
👉 救済へのアクセス(Access to Remedy)
が重要な柱とされる。
相談窓口は設けていても、
- 周知されていない
- 使いにくい
- 匿名性・独立性が不十分
であれば、実質的には機能していない。
実際、一流企業であっても「救済へのアクセス」は不十分とされ、今後の課題として挙げられている。
■実務への示唆
今回の結果が示すのはシンプルである。
👉 制度を作るだけでは足りない。使われて初めて意味がある。
企業としては、
- 既存従業員への再周知(定期・多チャネル)
- 匿名相談・外部窓口(第三者機関)の整備
- 経営トップ直結ルートの確保(エスカレーション)
- 相談後のフィードバックと再発防止プロセスの明確化
- 均衡待遇の定期点検(手当・評価・福利厚生)
といった運用設計が不可欠となる。
■まとめ
「救済へのアクセス」を真に機能させるためには、幾重にも工夫が必要です。
- 社長直結のアクセス方法
- プライバシーを保護できる第三者機関
- 現場で使える運用
今後、「ビジネスと人権」への取組みが進む中で、好事例が増えていくことが期待されます。
■出典
※出典:労働新聞「パート・有期雇用 報告徴収1.5倍を目標に 窓口周知違反めだつ 千葉労働局」
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