【実質賃金低下の背景】労働市場は“超過供給” RIETIが分析(2024/11/30)
経済産業研究所(RIETI)は、コロナ禍後に実質賃金が低下した背景を解説するウェビナー動画を公開した。
分析では、日本の労働市場は人手不足ではなく、むしろ超過供給の状態にあり、労働者の賃上げ交渉力が高まりにくい状況にあったと指摘している。
講師を務めた名古屋大学大学院の齊藤誠教授は、実質賃金低下の要因を「国外要因」と「国内要因」に分けて説明した。
国外要因としては、円安による交易条件の悪化を挙げ、国内で生み出された付加価値が海外へ流出し、賃金原資が減少したとする。
一方、国内要因としては、労働市場の構造に注目。
欠員率(未充足求人の割合)と失業率の動きを分析した結果、2023年以降、欠員率は低下しているにもかかわらず、失業率は大きく上昇していないという非典型的な傾向がみられた。
この背景について、コロナ禍で一時的に労働市場から離れていた人材が、待遇の低い求人にも応じる形で復帰したことが影響していると指摘している。
■ポイント整理
- 実質賃金低下の要因は「国外」と「国内」の両面
- 円安により賃金の原資が減少
- 労働市場は“人手不足”ではなく“超過供給”の側面
- 欠員率と失業率の動きにズレ
■実務への示唆
今回の分析が示すのは、
👉 「人手不足=賃金上昇」ではない
という点である。
企業としては、
- 単純な賃上げだけでなく
- 付加価値の向上
- 人材の定着・育成
- 労働条件の見直し
といった総合的な対応が求められる。
■まとめ
今回のウェビナーは、実質賃金の動きを理解するうえで非常に示唆に富む内容となっています。
ユーチューブで視聴できますので、興味のある方はぜひ確認してみてください。
経済産業研究所(RIETI)のホームページからもアクセス可能です。
■出典
※出典:労働新聞「市場は超過供給状態 実質賃金低下を分析 RIETI・ウェビナー」
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